「美少女クラブ」赤月みゅうと！長編エロ漫画！

　「美少女クラブ」は赤月みゅうとさんの原作で、成人漫画としては珍しく、上・下巻で構成された長編漫画となっています。

　舞台は、強力なウィルスによって男の人口が激減した近未来。主人公のフランツは、メイドのリーザと共に平和な暮らしをしていた。ある日、フランツの性への目覚めがきっかけでリーザは彼を女装させ、ガーデンと呼ばれる女子校に連れていくことに。フランツはそこで「ガーデン・アイリス」の名前を与えられる。アイリスがそのガーデン内に存在した美少女クラブという集会に招かれ、そこで自分が男であるとばれてしまう。しかし女の子たちはアイリスの正体を知ると、目の色を変え次々と体を重ねていく。

　赤月みゅうとさんの、ミステリアスかつサスペンス要素も含まれたストーリー構成が特徴的に描かれたこのエロ漫画。

　主人公のフランツことガーデン・アイリスと秘密を共有し、それぞれ花の名前を与えられた少女たちは次々と体を重ねていきます。アイリスとの接触が一定数を越えて、体にある異変を感じた少女は次々とガーデンから消えていきます。しかもアイリスと一部の子以外はその子達がガーデンにいたこと事態忘れてしまうという、不可解な現象が次々とおきます。アイリスは違和感を感じながらも、求められれば受けざるを得ない状況に巻き込まれていきます。私もそちらの謎の方が気になってしまい、どうなってしまうのかという気持ちで読み進めてきました。

　後半に入ってから、アイリスはリーザからあるコードを教えてもらったことで、今までの受けから攻めへと転じていきます。立場が逆転し、無敵の力を手に入れたアイリスは次々と女の子たちを貪り、暴走していく。もしもこれが現代社会なら、その力が欲しいと思う人や恐ろしくて使えないと思う人のどちらかに分かれると思います。ちなみに私は後者の意見です。

　この「美少女クラブ」の下巻には、プロローグにあたる読み切りが収録されています。遺伝子の劣化によって人口が激減し、セフィロトの塔と呼ばれる場所で人類は誕生します。そこで誕生した人間に性欲はありません。しかし稀に性欲を持ったイレギュラーが誕生します。この話はそんなイレギュラーの男女を中心に物語が展開します。

　ガーデン内に隠された秘密、この世界崩壊の謎、リーザの秘密、それらの秘密が明らかにされた時、私はエロ漫画を読み終えたとは思えない、清々しい読後感を覚えました。暴力シーンやグロテスクな表現が少し含まれていますが、エロ漫画としては充分実用的になっていると私は思います。